青空の下の机

旅をして、写真を撮って、生まれた想いを小説に籠める。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

超能力、売ります、買います。(2)

「昨日のアレ、見た?」
「あー……。またカズヤが馬鹿やらかしてその処理してたから、途中までな」
「ご愁傷様」
 下校中、俺は隣のクラスのユリサに声をかけられ、一緒に帰ることになった。とは言っても、俺の寮は徒歩圏内で彼女は電車通学だからすぐに別れることになるが。
 ユリサもまた無類のSF好きで、あの番組を「アレ」と称するほど、俺とその話しかしない。
「結局どんなんだったんだ?」
「大雑把にいうと『超能力は誰でも手に入る』って内容だった」
「そこまでは知ってる。その後……方法とかは言ってたか?」
「んー、超能力はどんなものがあるのか紹介してただけ。方法とかは不明だって。今回も抽象的だったし、単なる都市伝説じゃない?」
「なんだよ……夢がないな」
 所詮、噂話なのは重々承知していたが、いざこいつに存在を否定されると一気に肩の力が抜ける。項垂れながら、歩いていた。
「まあまあ。あ、でも最後にはこんなこと言ってた」
「……何?」
 俺は視線だけをユリサに向けた。
「『この説の通りだといつか超能力がビジネスになる』だって」
「どういうことだ?」
「つまりは整形手術みたいな感じね。外見を理想に近づけるのと同様に、自分のアビリティをいじることが出来るのよ。お金さえ払えればね」
「なるほどな。どうせそれが実現したとしても大金だろうから、俺たちにとっては夢の話なんだろうな。……お、そろそろ寮だ。じゃあな」
 T字路で俺は右、彼女は駅のある左へと向かった。
 黄金色に太陽は辺りの景色を染め、雲は橙と紫が入り混じる。春のそよ風が顔をなでる。少しひんやりしてて気持ちいい。
 明日は日曜日。こんな安らぐ環境で、ゆっくりしていたいが……
「おいリョウタ、ゲーセン行くぞ!」

 生憎、今の俺にはそんな場所、どこにも無い様だ。



続く
  1. 2012/12/23(日) 18:00:20|
  2. ┣超能力、売ります、買います。
  3. | コメント:0
<<超能力、売ります、買います。(3) | ホーム | 諸事情により>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

矢口鳥居

Author:矢口鳥居
愉快な、
不快な、
爽快な、
痛快な、
欣快な……
そんなお話がここにあります。
多分。

最新記事

カテゴリ

Novels -小説- (23)
┣紅いバラ (8)
┣超能力、売ります、買います。 (6)
Photos -写真- (12)
Movies -映画- (2)
Diary -日記- (25)

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
現在の閲覧者数: