青空の下の机

旅をして、写真を撮って、生まれた想いを小説に籠める。

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紅いバラ

PartⅣ
  Ⅳ


「俊喜さんこれを運んでくれんかね?」
「はい、分かりました」
 そう言うと俊喜さんは一人で重い荷物を運んだ。
「いつもすまないねぇ……」
「いえ、お義母さんのためですから」
 一週間後、私と俊喜さんは交際した。今では三人で暮らしている。昔の自分を捨てて、新しくなった生活は最高に幸せだった。一週間という時間の中で私たちはとても順調に恋愛が進んだ。
「あ、俊喜さん、これから何処かに行きませんか?」
「はい、静子さん」


私と俊喜さんは電車に乗って和歌山県にある「方男波公園」というところへ行った。そこはとても広く、近くに海があって、散歩やデートには絶好の場所だった。私たちは時を忘れさせるほど楽しい会話をした。そして噴水広場まで来たそのとき――
目の前に見覚えのある男性がいた。私にはすぐ誰か分かった。
 翔だった。
 思わずスッと立ちすくんでしまった。
「やぁ、静子。元気だったかい?」
「知り合い?」
 私は一瞬言葉を失った。なんとしてでも翔との関係を俊喜さんに悟られてはいけないと感じて、台詞(ことば)を考えて言った。「え、えぇ。大学での友達なの……」
 そういった後、翔は笑みを浮かべて禁句(タブー)を言い放った。
「『友達以上』……だろ?」
「え……」
「ち、違うの!! この人は……」
 私は必死に誤魔化した。もう私の頭は真っ白で言葉の整理も出来なくなっていた。
「交際して四年。同居してもう一年。そのことを忘れたとでも?」
 またもや禁句。私はもう開き直って叫んだ。
「あなたとはもう別れたの! 私に近寄らないで!!」
 私はコツコツと音を立てながら翔に近づき、頬を平手で叩いた。前よりも、強く。
 後ろを振り向いた後、私は今の彼氏の方へ歩き手をつないだ。
「行きましょう。俊喜さん」
 一刻も早くそこから離れたくて私はヒールを履いていることも忘れて早歩きで歩いた。
 そのとき、翔に後ろから睨まれていたようで少し怖かった。
 

その夜、星空は毎夜のように煌いていた。
 私が軒下でボーッと星空を眺めていたら、俊喜さんが横に座った。
「もしかしてあの人は元彼?」
 私は頷いた。
「そっか……」
 少し間があってから俊喜さんの口が開いた。
「大丈夫だよ、静子! もしあいつが来ても俺が護る」
「俊喜さん……」
 こんな言葉が聴けて嬉しい。きっと今までのように暮らしていたらこんな言葉も聞けなかっただろう。
 私は悲しくもないのに涙が流れた。


                         ――To be continued



Dec,28,2010 原作:友人SM 著:Як-3
  1. 2011/01/09(日) 13:34:09|
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