青空の下の机

旅をして、写真を撮って、生まれた想いを小説に籠める。

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紅いバラ

PartⅦ and epilogue
  Ⅶ


「静子が死んで、俺も死ぬ。そして、俺たちは天国で結ばれるんだ」
「た、すけて……」
 まともに喋れない。私は気休めでしかないが心臓の部分を守った。
 その時、後ろから俊喜さんが現れて、翔の右手を力一杯に捻った。翔のうめき声と共にナイフが床に刺さる音がした。
 そして落ちたのを確認した後、俊喜さんは手を広げ、翔の首元を強く叩いた。突然眠ったかのように、翔は気を失った。
気絶したのを確認した後、俊喜さんは私のほうを向いた。
「静子さん大丈夫でしたか?」
「俊喜さん……」

 それから数時間後、二台のパトカーが私の家の前でサイレンを鳴らすのを止めた。そ
の中にフードを深くかぶった翔を入れると再びサイレンを鳴らし始めて去っていった。
「俊喜さん。ありがとうございました。私……」
「言ったじゃないか。もしあいつが来ても俺が護るって」
「俊喜さん……」
 私と俊喜さんはお互いを強く抱きしめた。私たちは溢れんばかり愛し合っていた。


  エピローグ


 あれからもう一年経とうとしている。翔は殺人未遂で和歌山県警察署に収容された。私は俊喜さんと和歌山市のとあるマンションに引っ越して幸せな生活を送った。だけどその幸せも長くは続かなかった。
 交通事故だった。
 あの時、私たち二人は昼食をとりに外へ出掛けた。そのときに酔っ払い運転していた車に引かれて俊喜さんは意識不明の状態に。もう目覚めることは無いだろうと医師に言われた。三ヶ月前の出来事で脳裏に焼きついている。
 その後私は平木涼さんと出会った。彼は下半身が不自由なので少し介護の方が必要なのだ。
今まで彼の介護をしていた人はギルバート・ジョンソンで私に仕事を交代した今でもたまに手助けしてくれる。
 涼さんが仕事に行ったある日のこと。
「シズコ、大丈夫?」
「えぇ大丈夫よ、ギルバート。問題ない……」
「でもシズコ、何だか寂しそう」
 私は一つ間をとった後呟いた。
「私に関わった男性はいつも不幸な目に会う気がするの。翔は捕まり、俊喜さんはもう目覚めない……」
「リョウのこと心配?」
「えぇ。それでね、私分かったの。世の中『運命の赤い糸』って、ないんじゃないのかなって。でも私にはあるの。『運命の紅い糸』が……」
「シズコ?」
「ギルバート。手伝ってくれてありがとう。後は私一人で十分だから」
 それを聞いて安心したのか、ギルバートは自分の家へと帰った。

 そして部屋には私一人だけになって物音一つしなかった。
「私の好きな色は赤。でもただの赤じゃない。どす黒く大人の風格がある紅が好きなの」
 そう呟いた後、懐から出したナイフを自身の胸に当てた。

 乾いた悲鳴の後、床一面が紅く染まった。


                         ――The end




may,21,2011 原作:友人SM 著:Як-3
  1. 2011/05/21(土) 18:22:20|
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